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情報保障について(学生時代の話)

本記事では、情報保障とはなにか、と私が経験した情報保障(学生時代)について記載してます。

情報保障はウィキペディアにもある通り以下のように定義されてます。
「情報保障(じょうほうほしょう)とは、身体的なハンディキャップにより情報を収集することができない者に対し、代替手段を用いて情報を提供すること」
身近な例でいうとテレビの字幕とか、識別しやすい色の看板とかでしょうか。ちなみに私は、テレビの字幕のお陰でお笑いが面白いなぁと思えるようになりました。ただ字幕が出るのがリアルタイムではないので、笑うタイミングが他の人よりズレることがあります(笑)

一方で、学校や企業など閉じられた空間での情報保障もあります。学校に関しては要約筆記、ノート(パソコン)テイク、手話通訳などがあります(もっと色々ありますが、略します)。この中で私が受けたのは要約筆記(パソコン)です。しかも受けたのは大学2年の前記だけ?だったので、受けるにしては期間が遅いしほぼ活用していません。では、なぜそうなったのか?

まず、私は小学校から健聴者と同じ学校、学級で過ごしました。こういうのをインテグレート、と呼ばれています(某化粧メーカのブランドではありません(笑))。小学校では席を前にしてもらう、先生はもちろん子供にも私の障害について周知する、といったことをやってた気がします。なので、例えば先生に「ここを読んで下さい」と言われて分からないでいると、近くの席の子供が、ここだよ!と教えてくれたりしました。そのせいか小学校は勉強ついていけないってことはなかったかな。年の離れた兄や親に宿題みてもらったのも大きいと思います。

中学も、同様にして席を前にする、周知するというやり方をしてました。ただ、結構自分は聞こえるしみんなと同じ席替えして後ろの席も行きたいなと考えるようになり席は後ろになることもあったと思います。この頃になると先生の言葉より板書や教科書を頼りにしたほうがよくね?と、耳からの情報よりも目からの情報に頼るようになりました。また、兄は大学進学のため家にはいませんでしたので、自分で勉強はしてましたがまだついていけてたと思います。部活とかやってなかったので時間があったし(笑)

高校はバリバリの進学校でない学校に入ります。ここでも、自己紹介のときに自分で耳のことを話して周知させてました。席はもうどこでもおけーっと。文系理系に別れますが、理系に進学しました。また、大学進学のためのコースにしました。板書、教科書が頼りでした。先生がなにか喋ってるときは絶対に先生の顔を見てました。先生って、
板書→喋る(解説する)
パターンだと思うのですが、その間に生徒はというと、
教科書とかみてる→解説を聞きながらノートにとる
が主だと思うのですが私はというと、
板書を写す→じーーーっと先生を見る
というパターンでした。だから先生からすると生徒みんな顔を下に向けてるのに一人だけこっちをみてるとやりづらかっただろうなぁと思います…。
そんなこんなで高校も勉強はなんとかなったので情報保障は受けませんでした。

大学で状況は一変しました。
まず、教科書がないことがある。もう話すだけの講義。教室が広く、聞き取れない。マイク使っても余計わからない(この辺は席を前にとって口元を見ることでなんとか…)。教科書やレジュメがあっても、順序で講義をすすめない(飛んだり戻ったりする)…
そのため勉強についていけなくて、同級生から教えてもらったりとしてなんとかついていってました。それでも、ずっと同級生に頼るのも…と思い、ここで情報保障の扉を開けることになります。
まず、県か市かどっちか忘れましたが、そういうのを斡旋?してくれる団体のところへ相談し、大学側にも相談して情報保障を始めることができました(この辺は結構色々手続きが面倒くさかった記憶)。
一番聞き取れなくて困ってた講義から情報保障を始めました。形態としては、私の席の左右にノートテイカーさんが座って、話したことを筆談という形で書いてくというもの。左右ということは二人いるわけですが、どちらかの人が書いて、どちらかの人は休憩する、というのを交互にやってもらいました。何回かやっていったのですが、ノートテイカーさんにも聴き取れなくて書けないこともありました。理由は専門用語がまずわからない、健聴者でも先生の声が聞きづらい、という理由でした。ノートテイカーさんは普段は主婦をされている方です。ここに物理化学とかの言葉を理解して書く、というのは難しいのは当然ですよね…(笑)
一番情報保障を中止しようと思った理由が、目と耳からの情報が多いと自分がもっとついていけないと分かったためです。これはどういう事かというと、私は、結構聞こえが良くてある程度聞こえます。その為、先生が言ったのはこんな言葉かな?と思いつつ、ノートテイカーさんが書いた文字と違うと混乱してしまう。耳からの情報よりを必死に追いかけてる中で、ノートテイカーさんが書いてくれた文章をまた一生懸命追いかける(ノートテイカーさんは書くのが本当に早い!しかももちろん読める文字で書くのですごい)。これが思いの外負担が大きくて、一定期間やってみたのですが、前期が終わり引き続きやるか?の話で、やらない方針に決めました。

専門用語、に関しては同じ大学の先輩とかがノートテイカーになる、という事で解決はできそうです(実際にそうやってる大学もある)
→私の大学ではその仕組みがないので土台から作る必要があった。ただ、そもそもある程度聞こえるのに目からもさらに情報?という思いが大きかったのでそこまでやりたいという気にはならなかったです
先生の声についてはもう直接先生に言うしかないですよね(笑)

と、私にはちょっと微妙な情報保障でした。やってみてわかったこともあったのでやってよかったなとは思います。が、向き不向きがあるというのも痛感しました。聴覚障害をもつ今、学生時代を過ごす子供はどうやっているんだろう?音声認識でリアルタイム変換とかやってるのかな。(笑)