アラサー女×聴覚障害×お金時々趣味たまに仕事

毎日好きなことをして生きるための備忘録

抜歯手術と聞こえづらい人

30年温めてきた親知らずを抜きました。真っ直ぐはえてるのだけど、微妙に埋まってて虫歯になりやすい状態になったので避けてきた抜歯を決意しました。

紹介状を持って大きい病院へ。前にも行ったことがあるがだいぶ前だしほとんど行かないので診察手順がよくわからない(大きい病院って独特のルールみたいなのあるよね)。中央受付で口腔外科にいってね、みたいなことを言われたらしいが、周りがうるさく聞き取れなかったため耳が聞こえづらいのでマスクとってくださいとお願いしてなんとか指示を聞き取る。ちなみに、医療機関ではマスクしてる事がほとわどなので聞き取れない場合は以下のように話して、自分が聞き取れるような環境?にしてる
・耳が聞こえづらいので、唇が見えるように話してほしい
(これでマスクをとってくれる人もいるが、え?って止まる人もいる。その場合は以下のように言うとだいたいマスクをとってくれる)
・自分は唇の動きで(何をいってるのかを)理解してる

口腔外科に移動して呼び出しを待つ。診察の呼び出しは電子掲示板みたいなので診察番号が出るので分かるが、看護師さんが診察事前に聞きたいことがある場合の呼び出しは口頭でなので聞き取れないことがある(これで、不在とみなされて診察が遅れたことがある。聞こえないのでって窓口に伝えてたのに…)。
診察では個室で静かな方なので診察はそんなに問題なく進む。なので、聴覚障害者は診察までが結構大変だよなぁといつも感じる。


上記が手術前の診察で、今日は手術当日でした。診察が始まると歯医者にある椅子みたいなのに座って口を開けるのですが、補聴器がややハウリングする。気になる、が、まぁ大丈夫でしょと思いそのまま。麻酔しまーすチクッとしますよ〜と言われた時に注射器が視界に入った。あんな形なんだ…と思いながら麻酔を受ける。チクッとはするが別に痛くない。むしろ…麻酔苦っ!の感情がでかい。麻酔が終わって麻酔がきくのをしばらく待つ。だんだん顎の感覚が変な感じになる。次に口の部分だけが空いたシートみたいなのを顔にかける。さぁ、これで視界が完全に塞がれたぞ。情報取得に欠かせない目という入力装置が大きく失われたぞ。ここからは、「何か」言ってる事はわかるが、「何を」言ってるかは分からないゾーンに入るぞ。
ここらへんが緊張のピーク。思い起こせば…先日仕事先で明日(今日)抜歯なので有休とったんですけど気が重いですって話をしたら、入院する人もいるとか歯をかち割るよねと煽られたなぁ…なんてことを反芻してたら、歯をグイグイ押されている感覚で現実に戻る。とにかくゴキゴキやられてる感覚。あ、分かったある程度歯を削って抜くのかな?なんて考えてたら…ハウリングが無視できないくらいしまくってる。ので、手を上げて一旦停止してもらって、補聴器の電源を切りました。手を上げたのは結局これだけだった。
再び始まるグイグイ攻撃。これは痛くはないが押されてる感がすごい。今は痛くないが抜く瞬間が痛いんだろうなぁ…と覚悟を決めまくってた。色々声は聞こえるがよくわからないのでスルー。ただ、一瞬先生が痛くないですか?といったのだけは聞こえた(恐らく、私に話すのと看護師さんに話すのとで喋り方を変えたんだと思う)。ウンウンって頷いて痛くないアピール。で、ちょっと間が空いた。怖いこの間。先生の位置が変わった?いよいよ抜くのかな…と思ってたら、ん?なんか糸っぽいのがあたっている感覚がする。んん?縛った?ガーゼぽいのをいれられて、噛んでくださいといったらしいがこれは聞こえなかったので、肩を叩かれてもう一度言われて分かったので噛む。顔の上にあったシートがとられる、視界復活。え?と思うと椅子を起こされ、台みたいなところに血まみれの歯が…。
え?と思ってると、終わりましたよーと。
ええええ?!全然抜いたの分からなかった…。

歯を持ってなにか言われたけどマスクしててわからなかったので上記のことを伝えると、歯こちらで処分しますか?だった…。お願いしますと答えたがせっかくだからもらえばよかったなぁ。
このあとは、今後の注意事項とかきいて終わり。
痛みのピークは二日後と聞いて恐れおののく。


聴覚障害者は、先生達が何を言ってるかは何もわからないから幸せなのだろうか。健聴者はそういうのを全部聞こえててどんな感覚なんだろう、と思った日でした。